花は少なくても楽しかった白山、その6、ガスの中、秋のお花を楽しむ

殿ヶ岳避難小屋にはベンチが2つあって、片方にはすでに単独男性の方が一人休憩されてました。この方はたぶん、途中で私を追い越して行かれた方です。翌日の下山でも途中でお会いしたのですが、登りも下りも私とほぼ同じルートを歩かれたようで、鹿児島から来られた60代の男性でした。サンフラワー(フェリー)で大阪まで来られ、大阪からはレンタカーでここ白山と荒島岳、そして帰りに伊吹山に登られるそうです。鹿児島は地の利が悪くて、まだ16座しか登られてないそうですが、四国の剣山も石鎚にも登られたそうです。

ベンチがあって、眺めも良いので、私はここでお昼休憩することにしました。この日はおにぎり2個、ゆで卵、サラダチキンなどを行動食に持参してますが、一度に食べると登れなくなるので、少しずつ食べます。

休憩中に上からご夫婦の方が下られてきて、このご夫婦の方とも少しお話しました。奥さんは山はまだ初心者の方のようでしたが、ご主人はベテランの方のようです。

ご夫婦連れの方も出発され、鹿児島の単独男性の方も出発されましたが、私はその後もしばらくのんびりと休憩していました。時刻はまだ10時を回ったばかりだし、この日は室堂に着けばいいだけなので、この後ゆっくり登っても13時ごろには室堂に着きそうです。せっかく小屋泊まりにしたのだから、山を十分楽しみたいですから・・・

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↑私が出発するころには別山方面にも雲が少し出てきました。

快晴だと展望が良いのは嬉しいですが、暑くなるので、登る分にはガスが出てくれた方が嬉しいです。

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休憩中に、今回もオオシラビソの果実を見られました。今年はあちこちで、シラビソの仲間の果実を見ました。

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↑10時13分、殿ヶ岳避難小屋を出発しました。

見上げると上の方はもうガスに覆われ始めています。

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↑小屋周辺のイワオウギ。

2年前の7月には花盛りでしたが、さすがに花は終わってます。

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小屋周辺で、ラッキーなことにオヤマリンドウが開花していました。

エゾリンドウより小さめの花で開いても控えめですね。

秋の栗駒山や8月下旬に槍ヶ岳に登った時にオヤマリンドウは見ていましたが、綺麗に咲いているのを見たのははこれが初めてかも・・・・

小屋の直下に靴底を綺麗にするマットがあったので、それまでの泥を落としてから登り始めます。

ここから先の高山植物帯を守るために、下の外来種の種などを持ち上げないようにと言う趣旨なんでしょうね。

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歩き始めて間もなく、マイヅルソウの葉の下にミツバノバイカオウレンの葉を確認しました。

2年前の7月にここでミツバノバイカオウレンの花を見た記憶はなかったのですが・・・

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10時21分、室堂までの距離の3分の2まで歩いてきました。

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↑ハリブキの赤い果実を見たのは久しぶりです。

石鎚でもハリブキ自体は見かけますが、果実まではなかなか見られません。

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キオンの花も出てきました。

秋の花ですね。

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クロクモソウがこの辺でも咲いていて撮影します。

よく見ると、その傍にキバナノコマノツメらしき葉が見えています。

花は2年前の7月に、この辺りで見た記憶がありました。

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↑この日初めてのトリカブトが出てきました。

トリカブトは地域差が大きく、白山で咲くのはハクサントリカブトだそうでわかりやすいですね。

北アルプスで見たのはミヤマトリカブトというようです。

四国にも3種類ほどのトリカブトの仲間が咲きますが・・・

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↑これはオオカニコウモリ?

葉の形がちょっと見慣れない形をしているんだけど・・・・

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先ほどまでいた避難小屋の周囲はすっかりガスガスに・・・・

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タカネマツムシソウが道沿いに多く見られるようになって、すれ違った下山者の方とタカネマツムシソウです。ハクサンシャジンもまだ咲いてます。

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ガスの間から、砂防新道が見えています。

白い屋根は甚之助避難小屋でしょうか?

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↑コウゾリナらしきキク科の花が出てきました。

詳しく撮影してないので、ミヤマコウゾリナなのか?カンチコウゾリナなのか?

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クロウスゴかなぁ?

昔、花の時に雪倉岳で初めて見ていますが・・・

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↑これがその時のクロウスゴです。

葉が同じみたいなので、クロウスゴで間違いないでしょうか。

スノキの仲間なので、果実はきっと食用になると思います。

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喜市郎坂で見て以来で出てきたミヤマダイモンジソウです。

これはまだ綺麗でした。

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タカネナデシコも出てきます。

高山植物がどんどん出てくるという感じです。

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ガスの中でひときわ艶やかなピンクはカライトソウでした。

どちらかというと終盤でしたが、それでもまだ綺麗な個体も時折見ることができました。

カライトソウと言えば、2年前には馬のたてがみあたりで見ているので、そろそろ馬のたてがみ辺りに差し掛かるのかな?と意識しながら歩いていきました。

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この日初めて見かけたナナカマドの果実です。

高山のナナカマドはウラジロナナカマドとタカネナナカマドがあり、白山にはどちらもあるそうですが、これはウラジロナナカマドでしょうか。

ウラジロナナカマドは北アルプスでいつも見ていましたが、果実がこれほど綺麗だとは初めて知りました。

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ハクサンシャジンも花が輪生で咲いており、いかにも高山に来ましたという雰囲気で咲いてます。

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↑見下ろす山道も雰囲気がいいですねぇ。

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向かって右端に避難小屋も見えています。

まだこれだけしか登ってないのかと愕然としますが・・・・(^^;)

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↑咲き残りのミヤマキンポウゲ。

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上を見ると、まだまだガスが濃いです。

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↑クロトウヒレンの花が出てきました。

四国ではミヤマトウヒレンとオオトウヒレンというのが咲きますが、白山ではクロトウヒレンだけのようですね。

いつも7月に北アルプスに登ると、黒っぽい蕾を見てはどんな花が咲くのかなと想像していた花ですが、咲くと普通のピンクのトウヒレンでしたね。

↓槍ヶ岳の下りの槍沢で見たクロトウヒレンの蕾です。

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↑再び白山の登り道に戻って、この辺りは秋のお花畑という感じがしませんか?

ざっと見ただけで5種類の花が咲き競っていました。

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そして、その近くにこれだけは小さな花…イワアカバナも・・・

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ゴマナも初々しいのが咲いています。

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ハクサンタイゲキもこの辺りではうっすらと紅葉しています。

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↑イワオウギの果実・・・

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ミヤマコゴメグサもこれだけ登ってきてもまだ咲いています。

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大株のカライトソウ・・・・

いろいろな花が咲いていて、カメラのシャッターを切ってばかりでした。

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11時14分、「馬のたてがみ」と書かれた道標まで登ってきました。

2年前にもここで休憩したので、今回もここで一服することにしました。

コメント

keitannさん こんばんは。
殿ヶ池避難小屋を過ぎるとガスが出てきたようですね。お花を観るには影響がありませんので、かえって集中できたのではないでしょうか。
避難小屋では中に入らず、外のベンチで休憩されたようですね。私はたいがいここでは中に入ってコーヒーなどを淹れて飲んでいます。
さて、植物の名前ですが、いくつか気になったものがありましたので申し上げます。
先ず、開花していたリンドウですが、エゾリンドウのように思います。オヤマリンドウは、僅かに開くだけでこんなに花が開くことはありません。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%83%A4%E3%83%9E%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%83%89%E3%82%A6

続いてトリカブトですが、白山にはミヤマトリカブト、リョウハクトリカブトとその雑種のハクサントリカブトが分布しています。
観光新道で観られるものはハクサントリカブトの可能性が高いと思いますが、断定はできません。詳しい解説がありますのでご覧下さいませ。
https://www.pref.ishikawa.lg.jp/hakusan/publish/hakusan/documents/hakusan14-2.pdf

コウゾリナですが、カンチコウゾリナは葉先が尖り鋸歯が鋭いのに対し、ミヤマコウゾリナは葉先が丸く、下部に大きな葉が付きます。
頭花の径はカンチコウゾリナが3cm、ミヤマコウゾリナが2cmで、ミヤマコウゾリナの方が小さいです。
写真を観ると茎が白い毛で覆われています。それもミヤマコウゾリナの特徴ですので、ミヤマコウゾリナではないかと思います。

赤い実がついているナナカマドの仲間は、ナナカマドだと思います。ウラジロナナカマドは小葉の先端が尖っていません。
弥陀ヶ原まで上がるとウラジロナナカマドが観られます。また室堂から上の御前峰の中腹辺りではタカネナナカマドが観られます。

shuさん、こんばんは。

今回も詳しいコメントをありがとうございます。
避難小屋のすぐ上で見かけたリンドウはエゾリンドウだと思われるのですね。
今日はもう遅いので、明日、もう少し画像を検討して考えてみます。
それにたぶん明日の記事で、ほかのオヤマリンドウと思われるリンドウを撮影しているので
比較検討したいと思います。
トリカブトのご教示いただいたサイトも興味深く拝見しましたが、トリカブトは奥が深いですね。
サンヨウブシは四国の山でも咲きますので、これはわかりますが、白山のトリカブトは
ハクサントリカブトだけなので同定が簡単だと思っていたら、そう甘くはなかったのですね。

ナナカマドにしても四国で見かけるのは普通のナナカマドだけなのですが、白山のはてっきり
ウラジロナナカマドかタカネナナカマドだと思い込んでいました。
これも、今日は時間が遅いので、明日にでも検討してみたいと思います。

コウゾリナの件はありがとうございます。
ミヤマコウゾリナなのですね。

やはり、たまにしか行かない山域の植物は同定が難しいということがよくわかりますね。

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